本記事の内容
- 本記事では、CPU換装後にM.2 SSDが読み込めなくなる現象の解決策についてまとめています。PCの仕様は、CPUがAthlon200ge、ストレージがNVME M.2 SSDです。
- ASUSのマザーボード TUF B450M-PLUS GAMING のBIOSをアップデートする際の注意点についてまとめています。
はじめに
CPU換装の記事で紹介した通り、自作PCのCPUを換装し、メイン機からサブ機にAthlon200geを移し替えました。
しかし、PCを組み換えた途端に、サブ機はBIOSしか立ち上がらない状態に・・・
以前まで普通に使えていたPCだったので、原因は組み立てや換装後のパーツ構成にあることが考えられます。
自作PC初心者でもわかりやすいように、CPU換装後にM.2 SSDが読み込めなくなる現象の解決策についてまとめました。
PCの構成と前提
CPU | AMD Athlon 200ge |
GPU | なし |
マザーボード | ASUS TUF B450M-PLUS GAMING |
メモリ | CORSAIR DDR4-2666MHz VENGEANCE LPX Series 8GB×2枚 |
ストレージ | Crucial SSD P5 500GB M.2 NVMe接続 CT500P5SSD8JP Western Digital HDD 6TB Blue×3 |
グラフィック出力はAthlon 200geに内蔵されているRadeon™ Vega 3グラフィックスを利用するため、GPUなしの最小構成になります。
サブ機としてCPU換装の直前まではしっかり動作していたので、個々のPCパーツの不具合は考えれらません。
すなわち、PCパーツの初期不良はない前提で、本記事は進めます。
PCの状態

BIOSは起動したので状態を確認してみると、SATA情報のM.2欄が「N/A」になっています。
CPUやメモリは正しく認識していたので、WindowsのシステムOSを記録しているM.2 SSDストレージが読み込めていないことが原因と分かりました。
初めはM.2 SSDの寿命を考えましたが(これまでかなり酷使してきたので、、、)、後でもう一方の自作PCに組み込んだところ正しく認識されました。
なので、単純なM.2 SSDの故障でもありません。
解決策①:M.2 SSDの再度取り付け
確率は低いですが、CPU換装の際にM.2 SSDに力がかかり、接触が外れてしまった可能性が考えられました。
そこで、M.2 SSDを一度取り外して再度取り付けましたが、こちらは原因ではありませんでした。
解決策②: SATAケーブルを全部抜く
以前にSATAストレージを繋ぎすぎたせいで、WindowsのシステムOSを読み込めないという事象を経験したことがあります。
その時はシステムOS以外のストレージに繋がるSATAケーブルを全部抜くことで、正しく起動しました。
今回も不要なHDD3機に繋がるSATAケーブルを抜きましたが、残念ながらM.2 SSDが認識されることはありませんでした。
解決策③:CPU PCIe Lane Unlockedの有効化
「Athlon200ge NVME」とGoogleで調べると、Athron200geのPCIeレーン数が少ないことによる問題が挙げられていました。
Athron200geから出力されるレーン数はPCIe 3.0×10本しかなく、M.2 SSDには2本が接続されることになります。
しかしながら、NVMEのM.2 SSDの標準仕様は4レーンなので、CPUにAthron200geを用いる場合はM.2 SSDへの接続を2レーンに変更する必要があります。
難しい説明が続きましたが、要するに、 NVMEのM.2 SSD既定の4本接続から、Athlon200ge用の2本接続にマザーボードの設定を変える必要があるということです。
先人方の知恵を借りると、BIOSの「詳細」⇒「オンボードデバイス構成設定」⇒「CPU PCIe Lane Unlocked」を有効にすることで解決できるとのことでした。

しかし、BIOSの該当部分をみてみると、「CPU PCIe Lane Unlocked」なんてありません。
マザーボード自体は2018年発売とかなり古かったので、「CPU PCIe Lane Unlocked」設定のため、一か八かBIOSのアップデートにかけます。
解決策④:BIOSのアップデート
当PCのWindowsが立ち上がらない以上、もう一方の自作PCを使って、USB経由でBIOSをアップデートすることとしました。
USB経由でBIOSをアップロードする手順は以下の通りです。
最新版のBIOSをASUSのHPからダウンロードする
「製品のモデル名を入力」で使用しているマザーボードを検索し、「ドライバーとツール」⇒「BIOS&FIRMWARE」から最新版のBIOSをダウンロードできます。
ZIPファイルを解凍し、.CAPファイルをFAT32形式でフォーマットしたUSBに移す

別のファイルがBIOSのアップデートに影響を与えないように、USBはフォーマットしておきます。
先ほどダウンロードしたZIPファイルをフォーマットしたUSBに展開するだけです。
BIOS「ツール」⇒ASUS EZ Flash 3 ユーティリティから、Storage Device経由でアップデートする

しかし、この方法で何度やっても、「selected file is not a proper bios」というエラーではじき返されました。
一時間くらい色々な方法を試して調べたのち、BIOSがアップデートできない原因はなんと、、、
ダウンロードしたBIOSとマザーボードの型番が違う!
ASUSのTUFのマザーボードといっても、TUF-B450-PLUS-GAMING、TUF-B450M-PRO-GAMING、TUF-B450M-PLUS-GAMINGと色々な種類があり、ややこしすぎます。
一言一句正しいマザーボードの型番のBIOSをダウンロードした結果、無事にアップロードできました。
しかし、これだけ苦労しても、BIOSに「CPU PCIe Lane Unlocked」は現れませんでした。
まとめ
Athlon200geを使っていてM.2 SSDが正しく認識されない時の解決策は以下の通りです。
- M.2 SSDの再度取り付け
- SATAケーブルを全部抜く
- CPU PCIe Lane Unlockedの有効化
- BIOSのアップデート
残念ながら、マザーボードASUS TUF B450M-PLUS GAMINGは最新版のBIOSでも「CPU PCIe Lane Unlocked」は切り替えられませんでした。
諦めて普通のSATA接続SSDを取り付けることとします。
いまさらAthlon200geなんていうお古のローグレードCPUを使う人がいるとは思いませんが、本記事がどなたかの役に立てば幸いです。
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