はじめに
Raspberry Pi Zero 2 Wの商品情報は出たものの、工事設計認証がなかなか降りず、日本で発売されませんね。。。いったい、いつになったら買えるのでしょうか。
私もずっと待ちくたびれていましたが、やりたいことを一度整理すると、
- 用途に合わせていろいろなセンサーを搭載
- 電源はソーラーパネル駆動
- 無線接続でスマホにデータを送信
という風に、OSなし画面出力なしのRaspberry Pi Picoの方が合っていることに気づきました。
そういう流れで、初めてRaspberry Pi Picoを購入しましたが、マイコンってかなり癖がありますね、、、
本記事では、Raspberry PiとRaspberry Pi Picoの違いを詳しく説明し、間違えて購入することのないように、初心者向けに丁寧に書いていきます。
Raspberry Piの種類と値段
まずは、現時点で取り扱いがあって新品で購入することができるRaspberry Piを一覧にしました。これからRaspberry Piを購入したいと考えている方は、目的用途と値段の行を参考にしてください。
Raspberry Pi 4B | Raspberry Pi 3 Model b+ | Raspberry Pi Zero W | Raspberry Pi Pico | |
区分 | Raspberry Pi | Raspberry Pi | Raspberry Pi | Raspberry Pi Pico |
CPU | Cortex-A72 1.5GHz | Cortex-A53 1.4GHz | ARM1176JZ-F | Coretex-M0+ 133MHz |
コア数 | 4 | 4 | 1 | 2 |
メモリ | ~8GBまで4種類 | 1GB | 512MB | 264KB |
電源 | USB Type-C | MicroUSB | MicroUSB | MicroUSB、またはVSYS Pin |
無線LAN | IEEE 802.11 ac/b/g/n | IEEE 802.11 ac/b/g/n | IEEE 802.11 b/g/n | なし |
発売時期 | 2019年(8GBは2020年) | 2018年 | 2021年 | 2021年 |
用途 | プログラミング○ ブラウジング○ Youtube鑑賞△ | プログラミング○ ブラウジング△ | プログラミング○ | プログラミング 単体× 書き込み○ |
適正価格 | 9800円 | 3600円 | 1400円 | 550円 |
気になる方はRaspberry Pi 財団のHPも参考にしてください。
長々とスペックを書きましたが、Raspberry Pi 4Bのメモリ8GBモデルが、最近の低スペックノートPCと同等レベルの性能になります。
- プログラミング用途では全て問題なし
- 軽いブラウザであればサクサク見れる
- YouTube再生は時々読み込みに時間がかかる
手のひらサイズで一つのPCが完結しているので、それで一万円ならまあ妥当なものでしょう。
したがって、4B(メモリ8GB)より下のモデルは、性能的にPCとしての用途ではありません。プログラミングぐらいにしか使えません。
そもそも、Raspberry Piをプログラミング以外の目的で購入する人自体、いないかと思いますが、
プログラミングに挫折した際は、普通のPCとしても使いたい ⇒ 4B(メモリ8GB)
とにかく安く、プログラミングの勉強をしたい ⇒ 4B(メモリ4GB以下)、3B、Zero
というような目安がちょうどいいです。
また、値段についてですが、最近はRaspberry Pi自体の在庫がなくなりつつあるのか、正直どれも高いです。そんな中、在庫潤沢なRaspberry Pi Picoは550円から購入できるため、これは何だ?と思う方も多いのではないでしょうか。
しかしながら、Raspberry Pi Picoは初心者が間違えて買ってしまうと後悔しかねないので、注意してください。以下で両者の違いを詳しく説明していきます。
Raspberry PiとRaspberry Pi Picoの違い
結論から述べます。Raspberry Piを一般的な乗用車と例えると、、、
Picoはただのラジコンカーです。
少しPC寄りの話になるので、難しいと感じた方は太字以外は読み飛ばしていただいて結構です。
Raspberry Piは「シングルボードコンピュータ」です。そのため、基板上にコンピュータとして必要な最低限の基幹装置
①入力装置
②出力装置
③記憶装置(メモリ)
④制御装置
⑤演算装置
を回路基盤上に搭載しています。
強引に車で例えるなら、
ハンドル・アクセル・ブレーキ(①入力装置)
フロントガラス(②出力装置)
車載チップ(③記憶装置、④制御装置)
モーター(⑤演算装置)
を備えた一般的な乗用車です。そのため、Raspberry Piは電源さえ繋げば(車で言えば給油さえすれば)、初めての人でも何かしらは動かすことができます。(性能としては差し詰め非力な軽自動車といったところでしょうが、、、)
対するRaspberry Pi Picoは「マイクロコントローラ(マイコン)」です。電気機器を制御するための電子部品でしかなく、CPUとメモリが一つの基板上に置かれているだけです。
先の基幹装置で言えば、③から⑤があるだけであり、車で例えると、「人が乗れない動く物体」でしかありません。どう動くかを別のPCからプログラミングで指定してあげて、やっとラジコンカーのように動きます。
なので、Raspberry Pi Picoを単体で買っても、操作もなにもできずに終わりかねません。
ここまで散々にRaspberry Pi Picoの性能の低さを説明してきましたが、もちろん優れている点もあります。具体的な違いをメリットデメリットとともに細かく見ていきましょう。
ヒューマン・インタフェース・デバイスなし
先ほども述べましたが、ハンドル・アクセル・ブレーキが備わって車は運転できます。Raspberry Pi Picoはその当たり前となるヒューマン・インタフェース・デバイスがありません。
Raspberry Piに備わっている一般的なコネクタは、USB×4、有線LAN×1、microHDMI x 2、USB Type-C、と豊富であることに対し、Raspberry Pi PicoのコネクタはUSB 1.1 microB×1(給電&プログラム書き込み用)だけです。
PCとしての用途であればヒューマン・インタフェース・デバイスはなくてはならない要素ですが、プログラミング用途であれば(温度センサーなど)なくても差し支えないというのが理由でしょう。
メリット:安い、ボードの小型化
デメリット:画面出力不可、他PC(Raspberry Piなど)からPythonを書き込んで、動かす必要
OSなし
ヒューマン・インタフェース・デバイスがないので、それらを統括するOSも必要ありません。
MicroPythonというファームウェアをインストールしてあげて、Pythonのコードを書き込む方法が、一般的な使い方になります。
メリット:シンプル、安い
デメリット:PC用途として使うことは不可能
無線LANなし
Raspberry Piでは当たり前についていたWi-Fiが使えないため、センサーで取得したデータをスマホなどに送信することができません。
後付けでつけることもできるようですが、標準でWi-Fiがついていればありがたかったです。
デメリット:データを連携できない
専用の電源コネクタがない(メリット)
Raspberry Piでは電源コネクタがUSB Type-CやMicroUSBというように決まっていますが、Raspberry Pi Picoは、MicroUSBでも、Pinに直流電源を繋げても動かせます。
なんといっても、単三電池で駆動できることは、電源が取れない場所でも稼働できるというアドバンテージです。ものづくりの幅が広がります。
メリット:電池駆動が可能
まとめ
Raspberry Piはシングルボードコンピューターであり、プログラミング初心者でも使いやすい設計。買ってから「あれしてみよう」というように、用途に合わせてプログラミング・工作ができる。プログラミングに飽きても、PC用途として使うことが可能(4の8GBモデルなら)。
Raspberry Pi Picoはマイコンであり、「あれを作ってみよう」というようなアイデアをベースに購入するべき。Raspberry Pi などの他のPCからPythonを書き込んで動作させる。
コメント
わかりやすかったです
ありがとうございました
それにしても
いつになったら 手軽に 入手できるのだろう