【システムアーキテクト試験対策】情報システムと組込みIoTの選択方法

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本記事の内容

  • IPAシステムアーキテクト試験の概要と、おすすめの参考書&勉強スケジュールについて紹介します。
  • 午後Ⅰ~午後Ⅱに関して、情報システム、もしくは組込み・IoTシステムを選択した場合の勉強範囲と、効果的な対策方法をまとめました。システム開発素人ならではの午後Ⅱ勉強法「過去問暗記流」も是非参考にしてください。

先に結論から

「情報システムと組込み・IoTシステムではどちらを選択するべき?」は、個人的には情報システムおすすめできます。理由は以下の通りです。

情報システムのメリット①過去問が充実している

システムアーキテクト試験は一年に一度です。午後Ⅰ午後Ⅱともに情報システムでは複数出題されるところ、組込み・IoTシステムでは1題ずつしか出題されません。

そのため、過去問10題を勉強するには、組込み・IoTシステムではかなり古い試験まで遡ることになります。

参考書によっては、組込み・IoTシステムの過去問が十分に掲載されていないこともあるので、過去問が充実している面で情報システムの方が勉強しやすいです

情報システムのメリット②試験当日に選択肢がある

情報システムの場合、午後Ⅰは3題から2題選択して回答できることに対し、組込み・IoTシステムでは出題された1題しか選択肢はありません。(しかも、情報システムからも1題選択しなくてはならない)

また、午後Ⅱでは情報システムでは2題から1題を選択できることに対し、組込み・IoTシステムでは出題された1題を選択するしかありません。

「組込み・IoTシステムとの相性が素晴らしく、私にはこれしか選べない!」という人なら良いでしょうが、当日の問題を見て解く問題を決めたい人には、選択肢のある情報システムの方が無難でしょう。

以下、順に試験の概要、おすすめの勉強スケジュール、午後Ⅰ午後Ⅱの効果的な対策方法について解説していきます。

システムアーキテクト試験とは

情報処理技術者試験の一つであり、試験制度上は高度な知能・技能が問われるスキルレベル4(高度情報処理技術者試験)に含まれます。

ほとんどの人は応用情報技術者試験(スキルレベル3)を取得した後や、他の高度情報処理技術者試験を取得してからの受験になるかと思います。

そのため、試験の立ち位置と難易度は異なりますが、応用情報技術者試験といくつかの項目を比較してみます。

応用情報技術者試験システムアーキテクト試験
試験頻度2回/年1回/年
受験料7500円7500円
試験時間150分(午前)
150分(午後)
50分(午前Ⅰ)
40分(午前Ⅱ)
90分(午後Ⅰ)
120分(午後Ⅱ)
試験方式マークシート方式(午前)
記述解答(午後)
マークシート方式(午前)
記述、論述解答(午後)
実受験者数
(2021年度)
59698名3433名
合格者数
(同上)
14006名567名
合格率
(同上)
23.4%16.5%
IPA情報処理推進機構の統計情報を参考に作成。

応用情報技術者試験との大きな違いは、試験頻度と試験時間・方式でしょう。応用情報技術者試験では年2回のチャンスがありますが、システムアーキテクト試験含めた高度情報処理技術者試験は年に1回しかチャンスがありません。

また、システムアーキテクト試験では記述解答(午後Ⅰ)だけではなく、論述解答(午後Ⅱ)で約3000字近くの論文を試験時間内に作成しなくてはなりません。

直近1年の合格率を見ても、前段の応用情報技術者試験に合格している人も受けての合格率16.5%なので、応用情報技術者試験ほどは一筋縄でいかない印象がうかがえますね。

おすすめの勉強スケジュール

あくまで私の経験則ですが、参考書に掲載されていた午前Ⅱ(100題)、午後Ⅰ(14題)、午後Ⅱ(9題)をどのようなペースで勉強するとちょうど良いかを以下にまとめました。

午前Ⅱ午後Ⅰ午後Ⅱ
8週間前参考書1周目
(約1日1題目標)
7週間前参考書1周目
6週間前参考書1周目
5週間前参考書2周目参考書1周目
(3日で1題)
4週間前参考書2周目参考書1周目
3週間前参考書3周参考書1周目
2週間前参考書+α参考書3周目
(1日2題)
参考書2周目
1週間前参考書3周目

上記は、午後Ⅰと午後Ⅱを重点的に対策するためのスケジュールになります。以下で個々のパートの対策を詳しく解説していきます。

午前Ⅱ対策

午前Ⅱの概要

出題数:4択問題×25
回答時間:40分
合格基準:15問の正答

午前Ⅰと違い、システム開発技術分野を重点的に4択で問われます。過去に出題された問題から2、3割が再出題される傾向なので、参考書の100題をマスターすれば、余計な勉強は不要です。

念を入れて試験直前には参考書+αとして、正答ではない残り3つの選択肢(システム開発技術分野のみ)の意味も暗記しました。正直、実際の試験ではあまり役に立ちませんでしたが、、、

午後Ⅰ対策

午後Ⅰの概要

出題数:問1~4(情報システム×3、組込み・IoTシステム×1)から2問選択
回答時間:90分
合格基準:得点換算で6割

情報システムを選択する場合

情報システムに関する3題から、2つを選択することになります。「対象が身近な業務かどうか」や「問題文が長い/短い」、「設問数が多い/少ない」といった判断軸で2題を選択できます。

個人的には、「設問数が少ない」かつ「システムの処理がシンプルで分かりやすい」問題を選べば良いと思います。たとえ問題文が長くても、設問数が少なくてシンプルであれば、回答に時間がかかりません。

が、平成28年度秋季午後Ⅰ問1「仕入れ納品システム」のように、一見すると簡単に見えても、本文中に答えとなる記述が全然見つからない悪問が問われることもあります。

選択は運試しですが、最後の最後は読解力の実力勝負になりますね。

組込み・IoTシステムを選択する場合

組込み・IoTシステムは問4のみです。そのため、問1~3の情報システムからも1題選択する必要があります。

要するに、午後Ⅰに関しては組込み・IoTシステムを選択しても、結局は情報システムの過去問も勉強する必要があります。それなら、情報システムに絞って勉強を一本化することをおすすめします。

また、組込み・IoTシステムは1題しか出題されないので、他の問題を選ぶ余地がありません。当日の問題を見て回答する問題を選択をしたいのであれば、組込み・IoTシステムは進んで選ぶものでもないでしょう。

午後Ⅱ対策

午後Ⅱの概要

出題数:問1~3(情報システム×2、組込み・IoTシステム×1)から1問選択
記述分量:2600字程度
回答時間:120分
合格基準:ランクA

論述問題と言われると難しく聞こえますが、実を言ってしまうと、午後Ⅰと逆のことをやっているだけです。

午後Ⅰ午後Ⅱ
問題文:具体的な開発事例

設問:そのように設計した理由
個々の項目や機能名
問題文:システム開発の手引き

設問:あなたが携わった具体的な開発事例
回答は問題文の中回答は回答者の頭の中!

したがって、午後Ⅱに関しては万人に共通する正答などはなく、設問で問われている内容を、問題文の誘導に従って、適切な文字数で回答することが、合格の基準です。どれか一つでもズレていると、大幅な減点に繋がります。

情報システムを選択する場合

情報システムでは出題された2題から1題を選んで回答します。「いったん問題を選んだけど、やっぱりもう一方に変える」という余裕は試験時間的にも厳しいので、一度論文を書き始めたら、最後まで書き続けるしかありません。

2題も出題されれば、どちらかにはFitするシステム開発アイデアが頭の中にあるはずです。私の場合も、問題文をザッと見ただけで、選択は決まりました。

あとは120分という制限時間の中で、ある程度は字が汚いのは仕方がないと割り切って、適切な文字数を埋めていきます。

組込み・IoTシステムを選択する場合

こちらも午後Ⅰと同様です。情報システムだと2題から選択できるところが、組込み・IoTシステムでは出題された1題を選ぶしか選択肢がありません。

また、過去問に関しても、一般的な参考書では情報システムが10題ほど掲載されているのに対し、組込み・IoTシステムではその半分ほどしか掲載されていません。

私のようなシステム開発素人の身としては、過去問から開発技術を吸収して論文対策を身に付けないといけないため、過去問の多さから情報システムを選択しました。

午後Ⅱ勉強方法「過去問暗記流」

午後Ⅱの勉強を始めた瞬間に誰もが一度は経験するのが、「参考書の模範解答と対象業務・システムが全く違いすぎて、自己採点ができない…」という大問題です。

午後Ⅱの概要でも説明した通り、回答は人それぞれなので、午後Ⅰとは違って簡単には○×が付けられません。とはいえ、論文添削サービスはお金もかかるし、採点まで待たされるのでかなり面倒です。

そんな時におすすめなのが、「過去問暗記流」です。

  1. 己のシステム開発経験は一度忘れる。
  2. 参考書の問題文を読んだ後、参考書の模範解答の「対象の業務」と「対象のシステム」だけ、ちらっと確認する。
  3. 模範解答の「対象の業務」と「対象のシステム」に合わせて論文を書く。
  4. 模範解答と照らし合わせて、丸付けする。(業務とシステムの骨格は同じなので、論文の丸付け・修正がしやすい)
  5. 模範解答を受けて修正した論文を、己のシステム開発経験として、頭の引き出しに入れておく。

これを過去問で10題ほど行えば、いろいろな問題文に対応できるシステム開発経験ライブラリが完成するはずです。

おまけ:設問ア 攻略ガイド

設問アでほぼ毎年問われるのは、「対象の業務の概要」「情報システムの概要」「+α」です。そのため、設問中に明言されていない部分も含めた定型文を用意することが、試験時間短縮に最も効果的です。

情報システムでは要件定義から設計、移行、テストなど、幅広い内容が問われています。どのような問に対しても順応できるように、こちらもシステム開発経験定型文をいくつか丸暗記するのがベストでしょう。

具体例①対象システムが主要業務と異なるパターン

タイトル①:Y社スキル・資格管理システムの社員自己登録対応に向けた改修計画
タイトル②:社員が取得した資格を自分で登録できるスキル・資格管理システム

項目定型文の例
ア-1「対象の業務の概要」
私(私の立場)システムインテグレーターX社のシステムアーキテクト
顧客(業界や創業年数、従業員数など)顧客は中小規模の化学メーカのY社、創業25年、従業員数約500名
顧客の主要事業石油化学製品の製造
システムの対象業務社員のスキル・資格管理業務
ア-2「情報システムの概要」
システムの構成Webシステムであり、Web・AP・DBサーバとクライアントPCから構成
システムの目的社員の保有資格管理、成長度合いの分析
システムの使われ方総務部が申告を受けて入力、人事部が情報を確認
ア-3「+α」
◎は設問で問われているので、解答が必須の内容。それ以外は文章の流れとして、記述したほうが良い項目。

具体例②対象システムが主要業務と同じパターン

タイトル①:Z社生産管理システムの見込み生産対応に向けた改修計画
タイトル②:受注生産に加えて、見込み生産にも対応した生産管理システム

項目定型文の例
ア-1「対象の業務の概要」
私(私の立場)システムインテグレーターX社のシステムアーキテクト
顧客(業界や創業年数、従業員数など)顧客は大手機械メーカのZ社、創業50年、従業員数約1000名
顧客の主要事業冷房機器の開発・設計・製造
システムの対象業務工場の生産管理業務
ア-2「情報システムの概要」
システムの構成Webシステムであり、Web・AP・DBサーバとクライアントPCから構成
システムの使われ方営業が受注情報を入力、製造担当が生産目標を確認
ア-3「+α」
◎は設問で問われているので、解答が必須の内容。それ以外は文章の流れとして、記述したほうが良い項目。

まとめ

応用情報技術者試験のさらに上に位置するシステムアーキテクト試験の概要と、おすすめの勉強スケジュールについて紹介しました。

2022年度は午前Ⅱも難しかったようですが、それでも、合格のかなめは午後Ⅰと午後Ⅱをしっかり対策できたかどうかです。

スケジュールに余裕をもって、午後Ⅱの対策に着手し、システム開発経験ライブラリを身に付けられれば、試験も簡単になるはずです。

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