本記事の内容
- 最小マイコンボードSeeeduino Xiaoを購入しましたので、その消費電力と処理能力を計測してみました。
- 単純に消費電力だけを見ても高いのか低いのか判別しにくいため、同レベルのマイコンボード「Raspberry Pi Pico」と比較しています。
Seeeduino Xiaoとは
Seeeduinoとは、中国のメーカー「Seeed Studio」製のマイコンボードです。その中でも、Seeeduino XIAOはSeeeduinoシリーズで最小のマイコンボードであり、ウェアラブルや小型機器の製作に適した設計になっています。
実際にRaspberry Pi Picoと並べると、Seeeduino Xiaoの小ささが明らかです。Raspberry Pi Picoが両サイド合わせて40ピンあることに対して、Seeeduino Xiaoは14ピンと半分以下になっています。
もちろん、GPピンをたくさん使いたいという方には、Raspberry Pi Picoをお勧めします。しかし、マイコンボードに限っては必要な機能に絞って小型化する方が使い勝手が良く優れています。
今回は、そんな最小マイコンボード「Seeeduino Xiao」の消費電力と処理能力を測定してみました。
事前準備
測定環境
- Seeeduino Xiao RP2040:約900円
- Raspberry Pi Pico:580円
- SSD1306 OLEDディスプレイモジュール:560円
Seeeduino Xiao RP2040は、Seeeduino Xiaoシリーズの中でもRaspberry Pi財団のRP2040チップが組み込まれているものをチョイスしました。そのため、動作クロックなどの基本性能はRaspberry Pi Picoと同じですが、実際の消費電力や処理能力に違いが出るかが楽しみですね。
単純な動作では面白みがないため、乱数を用いて円周率πを測定するプログラムをMicroPythonで作成しました。
プログラムコード
Seeeduino XiaoでSSD1306 OLEDディスプレイモジュールを使用する方法は、公式Wikiに掲載されています。
上図の青字のssd1306.pyをダウンロードして、Seeeduino Xiaoにアップロードするだけです。追加で作成したコードは以下の通りです。
消費電力・処理能力の測定
Seeeduino Xiao RP2040の消費電力測定結果
計算中 | ディスプレイ表示中 |
1W | 1W |
Seeeduino Xiao RP2040で10万回のランダムプロッティングを実行した結果、計算中・ディスプレイ表示中(計算後)ともに1Wでした。これは確かに、とても省エネルギーですね。
Raspberry Pi Picoの消費電力測定結果
計算中 | ディスプレイ表示中 |
1W | 1W |
続いて、Raspberry Pi Picoでも同様のプログラムを実行してみたところ、こちらも計算中・ディスプレイ表示中ともに1Wでした。消費電力を0.1W刻みでもっと細かく知りたいところですが、1W以下はもはや誤差でしょう。Raspberry Pi Picoでも十分に消費電力なことが確認できました。
Seeeduino Xiao RP2040とRaspberry Pi Picoの処理能力比較
最後に、両者を同時に実行して、どちらがより早く円周率πを算出できるか比較してみました。動画で掲載したいのは山々ですが、諸事情のため計測時間を表示するだけにとどめております。
Seeeduino Xiao | Raspberry Pi Pico |
22秒 | 8秒 |
計測時間(処理能力)に関しては圧倒的な差をつけて、Raspberry Pi Picoの方が早く優秀でした。同じRP2040チップでも個体差があるのか、もしくは製造時期に新旧があってキャッシュ容量が違うのか、この差の原因は一体何なのでしょうか。
まとめ
Seeeduino Xiaoの消費電力を測定してみた結果、計算処理で負荷をかけても、全体の消費電力は約1Wと非常に省エネルギーでした。
Raspberry Pi Picoにも同等の負荷をかけてみたところ、同じく全体の消費電力は約1Wで省エネルギーでした。しかしながら、計算の処理能力を比較してみるとRaspberry Pi Picoの方がSeeeduino Xiaoより優れており、こちらの原因はいまなお不明です。
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