本記事の内容
- 1.3型ディスプレイ「waveshare-19650」をRaspberry Pi Picoに取り付けて、ボタン入力と画面出力をテストします。
- Raspberry Pi Pico初心者でも分かりやすいように、Raspberry Pi Picoの初期セットアップとwaveshare-19650のサンプルコードをアップロードする方法を丁寧に解説しています。
- 個人的には、「Raspberry Pi Picoを初めて使う方には、是非セットでwaveshare-19650も購入するべき!」というくらいおすすめできます。
必要なもの
- Raspberry Pi Pico:580円(550円から値上げされていました…)
- Raspberry Pi Pico向け1.3型ディスプレイ「waveshare-19650」:1100円
waveshare-19650はRaspberry Pi Pico向け1.3型IPS液晶ディスプレイであり、2021年11月に発売されました。Raspberry Pi Pico向けと言いながらPicoにしか合わないピン配置なので、当然ながらRaspberry Pi Pico専用です。
操作用のジョイスティック(左)とユーザーボタン×4個(A,B,X,Y)が付いていて、ピン実装済のRaspberry Pi Picoが用意できれば、両者を装着するだけですぐに使用できます。
waveshare-19650を使うまでのセットアップ
ステップ1:はんだ付け(ピン実装済なら不要)
はんだこてを使用して、Raspberry Pi Picoの両サイドにピンを取り付けます。(ピン実装済Raspberry Pi Picoを購入していれば本作業は不要)
片面20ピンの計40カ所のはんだ付けです。面倒な作業なので、ピン実装済Raspberry Pi Picoの購入をお勧めします。
ステップ2:waveshare-19650への装着
Raspberry Pi Picoをwaveshare-19650に装着します。waveshare-19650の基板上にmicro-USB端子が置かれる向きが表示されているので、装着の向きを間違えることはありません。
ステップ3:PCに接続してMicroPythonファームウェアの書き込み
waveshare-19650を装着した状態で、Raspberry Pi PicoとPCをmicro-USBケーブルで繋ぎます。すると、Windowsであればエクスプローラー上で不明なデバイスが認識されます。
このままでは何も書き込めないので、初期セットアップとしてMicroPythonのファームウェアをRaspberry Pi Picoに書き込みます。こちらのステップは、Raspberry Pi財団のHPにて動画で丁寧に解説されています。
上記赤枠のリンクをクリックすると、MicroPythonファームウェア「rp2-pico-20220117-v1.18」(2022年4月10日時点)をダウンロードできます。
続けて、ダウンロードしたファイルをRaspberry Pi Pico上にドラッグ&ドロップするだけです。
エクスプローラー上からRaspberry Pi Picoの表示が消えれば、本ステップは完了です。
ステップ4:サンプルコードのアップロード
最後に、ThonnyIDEを起動して、waveshare-19650用のサンプルコードをアップロードします。(Thonnyは初心者向けのオープンソースのPython統合開発環境です。)
まず、サンプルコードはwaveshareの公式ページからダウンロードできます。
Demo codesからダウンロードしたなかから、pythonフォルダの「Pico-LCD-1.3.py」がwaveshare-19650のサンプルコードです。
ThonnyIDEを起動すると、初期設定の表示では左にファイルタブが表示されないので、左図のように「表示」>「ファイル」からファイルタブを表示させてください。
最後に、ダウンロードしたサンプルコードを右クリックしてRaspberry Pi Picoにアップロードすれば、セットアップは完了です。
実行
画面左に十字の四角、画面右に4つの四角が表示されます。ご想像の通り、ボタンを押すと四角が反応します。
画面のサイズさえ気にしなければ、テトリスなどのミニゲームができそうですね。
waveshare-19650がPico初心者におすすめな理由
それでは、なぜwaveshare-19650がRaspberry Pi Pico初心者にとにかくおすすめしたいか、以下に解説していきます。
複雑な配線が不要
一般的なセンサーやディスプレイと使用する場合、どうしてもSPI通信やI2C通信に合わせたピンの接続が必要になります。
そのため、ブレッドボードやジャンプワイヤーなど、必要なものが増えがちで、なおさら手を付けにくくなります。
それに対して、waveshare-19650との接続はそのまま突き刺すだけなので、配線を考える必要がないことが第一のメリットです。
プログラミングが不要
こちらも配線と同様に躓きやすいポイントです。センサーやディスプレイの配線に合わせたコーディングは、正直Raspberry Pi Pico初心者には難しいかと思われます。
waveshareの公式ページにそのままで使えるサンプルコードが配布されているので、Raspberry Pi Picoにさえアップロードできれば完了です。初めてでもすぐに画面を出力できることが、waveshare-19650をRaspberry Pi Pico初心者におすすめする理由です。
成功と失敗が分かりやすく、失敗要因が少ない
赤外線LEDをRaspberry Pi Picoで点灯させようと試したときに痛感したのですが、成功なのか失敗なのか分かりにくい工作は、初心者向けではありません。
Raspberry Pi Picoの電子工作には、考えられるだけで何種類もの失敗要因があります。さらに、どの因子が失敗の原因かを突き詰めることは、いつも私も苦戦しています。
- 配線不良
- コード(プログラミング)間違え
- Raspberry Pi Pico本体の故障・初期不良
- センサーやディスプレイといった接続モジュールの故障・初期不良
一方で、waveshare-19650の画面出力であれば、配線不良とコード間違えは、まず発生しません。そのため、失敗要因が少ないことがRaspberry Pi Pico初心者におすすめできる何よりの理由です。
まとめ
1.3型ディスプレイ「waveshare-19650」を使用するまでの、Raspberry Pi Pico初期セットアップとサンプルコードのアップロード方法を解説しました。
組み込みシステムの独学勉強として、ボタン入力と画面出力を兼ね備えたwaveshare-19650を活用してみてください。
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