本記事の内容
炎センサモジュール「DFR0076」をRaspberry Pi Picoで使用して、なんちゃって火炎検知器を自作してみました。
秋月電子の購入サイトにも記載がありますが、本センサはあくまでホビー用途になります。防災・防火・消火・警報・燃焼監視などの用途としての使用は、くれぐれもお控え下さい。
必要なもの
炎センサモジュールは、秋月電子で購入しました。通販コードは「M-07041」になります。センサ本体とワイヤがセットになって、1つ400円です。(秋月電子の購入サイト)
別のメーカーですが、Amazonでも同様の炎センサモジュールは入手することができそうです。こちらの方が1個あたりの単価が安いので、もしかするとお買い得かもしれません。
炎センサモジュールの仕組み
工場や溶接現場などで使用される正確な炎検知器には、赤外線3波長式、紫外線式、紫外赤外併用式の3種類があります。いずれも、物質は燃焼する際に放出される紫外線や赤外線の強い光を測定して、炎の存在を誤りなく検知します。(参考サイト)
しかしながら、今回使用する炎センサモジュールは760nm~1100nmの近赤外線の光(1波長のみ)を測定して、炎の存在を検知します。1波長で不確実性も高いために、秋月電子ではホビー用途として販売されているのかもしれません。
炎センサモジュールの回路図からも確認できる通り、本センサはYG1006フォトトランジスタがベースとなっています。(フォトトランジスタとは、照射された光によって発生した光電流を、増幅して出力する素子です。)
本ブログにて以前、赤外線リモコンから送信された信号を解析して、そのまま別方向に送信する「リモコン中継器」を作製しましたが、赤外線リモコンで使用された波長が940nmなので、案外こちらの炎センサモジュールでも検知できるかもしれません。
配線
電源電圧として、炎センサモジュールのVCCをRaspberry Pi PicoのVBUSに、OUTをADC変換できる26ピンに繋ぎ、GND同士を接続させるだけです。
炎センサモジュールのピン配置図はどこにも掲載されていなかったので、基盤の配線をたどって調べました。図に向かって上から、GND、VCC、OUTとなり、付属したケーブルの色通りになります。
こういった付属ケーブルはごくまれに色通りになっていなく、誤配線トラップになりかねないので、要注意です。。。
プログラムコード
1秒間隔で、26ピンに入力された値をshell上に表示させるプログラムコードです。
import machine
import time
cds = machine.ADC(0)
coeff = 3.3/65535
for i in range(100):
v = cds.read_u16()*coeff
print("V:" + str(v))
time.sleep(1)
CDSセルによる照度センサ用途など、Raspberry Pi Pico&センサにおいて、個人的に汎用性の高いコードです。炎センサモジュールはADC変換ができる26~28ピンのどこに繋げても大丈夫なので、配線に合わせてコードも書き換えてください。
測定テスト
上記のコードは26ピンの入力電圧を表示させるだけのコードなので、無事に配線とプログラムコードが準備できたら、まずは火を使わずに簡易測定テストを実施することをお勧めします。
炎センサモジュールのフォトトランジスタ部分を手で覆って、電圧の出力値が下がれば配線OKです。出力値に変化がない場合は、配線を誤っている可能性があるので、もう一度見直してみてください。
測定結果(まとめに代えて)
最初に記載するべきだったのですが、こちらの炎センサモジュールは760nm~1100nmの近赤外線の光を測定しているため、都市ガスの炎(ガスコンロの火)では何も検知できません。以下の写真では30cmとかなり近くで火をつけていますが、火炎を検知できていない画面となっています。
そのため、一度割りばしなどに火を移してから、検知させる必要があります。割りばし単体では燃焼しにくいため、下の写真ではロウを付けた割りばしを使用しています。
火災報知器を作製している途中で、火災を起こしてしまっては、元も子もありません。くれぐれも火の取り扱いには注意をして、炎センサモジュールのテストを実施してください。
気になる測定結果ですが、無事に火を近くに置いた際、火炎の存在を検知することができました。炎センサモジュールのかなり近くで火をセットしているので、十分な検知度合いとなっています。
以上、Raspberry Pi Picoで炎センサモジュールを使用する方法でした。簡易火災報知器の作製など、応用方法は沢山ありますので、是非活用してみてください。
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