本記事の内容
世界最小のマイコンボード「Seeeduino xiao RP2040」をUSB type-Cケーブルでなく、単四電池の外部電源で動作させてみました。Seeeduino xiao Wikiやデータシート、フォーラムで必要な電源電圧を確認し、実際に単四電池が何本から動作可能かを確かめています。
Seeeduino xiao RP2040を市販のリチウムポリマー電池で動かす内容については、以下の記事も参考にしてください。
Seeeduino xiao RP2040とは
Seeeduino xiaoは中国のプリント基板製造メーカーSeeed Studio製のマイコンボードです。低電力・高性能ながら、マイコンボードの最小化に挑戦しており、これまでのマイコンボード以上にロボットや電子機器への組み込みを容易にしています。
実際に、Raspberry Pi Picoのサイズが「51.3mm × 21mm」となっているところ、Seeeduino xiaoは「20mm × 17.5mm」と半分以上に小さく、2022年7月時点でも世界最小のマイコンボードとなっております。
また、Seeeduino xiao RP2040はRaspberry Pi Picoで使用されている独自チップ「RP2040」を採用しているため、Pico同様に使い勝手が良く、Thonny IDEでMicroPythonを書き込めます。
そのため、「Raspberry Pi PicoほどGPIOピンは使用しないけど、もっとサイズを小さくしたい!」という方にはうってつけのマイコンボードになります。
必要な電源電圧の確認
それでは、Seeeduino xiao Wikiとデータシート、フォーラムを読み解いて、外部電源として必要な電源電圧を確認していきます。
Seeeduino xiao Wikiを確認
Seeeduino xiaoのWikiを確認してまず目につくのが、Hardware Overviewにある注記です。
1文目は、general I/O pinについてなので、下図の青背景のピンについてです。「3.3Vを超える電圧を入力するな」と書かれています。
2文目は、power supply pinsに関してなので、こちらが関係ありそうです。しっかり読むと、「供給された5Vは、DC-DC converterによって3.3Vに変換され、デバイスにPowerを供給する」となっています。ということは、必要な電源電圧は5Vであっているのでしょうか。
しかしながら、5Vの供給先は「via VIN-PIN and 5V-PIN」となっており、Pin配置図を見てもVINも5Vもありません!「SV」しかないところに、翻訳が正しいのか少々疑問が残ります。。。
Seeeduino xiao RP2040のデータシート確認
次に、Wikiに掲載されているSeeeduino xiao RP2040のデータシートを読み解きました。回路図を見る限り、Seeeduino xiao RP2040では電圧レギュレータとして、RS3236-3.3YF5が用いられていることが確認できます。
RS3236-3.3YF5の販売ページを見てみると、入力電圧の最大値は7.5Vとなっています。
とはいえ、これはSeeeduino xiaoの入力電圧の最大値ではなく、あくまでRS3236-3.3YF5が許容できる最大電圧値です。Seeeduino xiaoが7.5Vに耐えれるのかは、回路図からは読み取れませんでした。
フォーラムを確認
最後に困ったときの、Seeed Studioフォーラムです。残念ながら日本語ではありませんが、多くのユーザの悩みを解決してくれています。
直接の質問はありませんでしたが、ボタン電池CR2032で駆動させる系の質問が複数あり、Seeeduino xiaoを外部電源から駆動させることは多くの方が試しているようでした。しかしながら、入力電圧の推奨値については確認できませんでした。
要するに
必要な電源電圧に関して明記されているページは見つかりませんでした。ただし、Seeeduino xiao RP2040 Wikiとしての推奨値は3.3V~5V、回路図としては3.3V~7.5Vまで耐久可能(?)と推測されました。
単四電池で起動チャレンジ
あとは実験あるのみです。使用されている電圧レギュレータを確認する限り、7.5Vまでは事故の危険性はないと判断し、実際にSeeeduino xiao RP2040を単四電池に繋いで起動チャレンジをしてみました。
単四電池(単三電池)×2本
単四電池ホルダーがなかったため、こちらだけ単三電池でテストです。接続時に一瞬だけSeeeduino xiao RP2040のLEDが付きましたが、動作せず終わりました。
単四電池×3本
無事に動作完了です。単四電池×3本であれば、入力電圧は約4.5Vとなり、Seeeduino xiao RP2040は正常動作しました。
単四電池×4本
こちらも無事に動作完了です。単四電池×4本であれば、入力電圧は約6Vとなり、Seeeduino xiao RP2040は正常動作できました。
まとめ
Raspberry Pi Picoと同規格で使いやすいSeeeduino xiao RP2040を、USB type-Cケーブルでなく、単四電池の外部電源で動作させてみました。
Seeeduino xiao Wikiとデータシート、フォーラムで確認した限り、電源電圧としては3.3~5Vが推奨されているようです。
実際に単四電池で起動チャレンジをしてみたところ、単四電池3本と4本では正常に動作していることが確認できました。
コメント
回路図を見ると5Vピンは逆流防止のダイオードを介してレギュレーターに電力供給してるので、0.3Vほど電圧降下を起き、乾電池2本では電圧不足になったのではと思われます。
基板裏のVinピンはレギュレーターに直結していますので、ひょっとしたら動くかもしれません。
もっとも内蔵レギュレーターの仕様は0.5A時0.45V(max0.6V)ドロップがあるとのことですので、0.1Aでも0.3V程度のドロップはありそうです。これらを考え合わせると単4電池2本or3Vコイン電池での運用は動いたとしても停止するまでの時間が短かすぎて現実的ではないと思われます。
2本のところ指すピン間違ってませんか?