前回の記事では、WordPressのサーバーをロリポップに移行するだけで、サーバー維持費が1/6に節約できることを確認しました。毎月約2500円、年間にして約30000円の大きな節約術です。
今回は、All-in-One WP Migrationのプラグインを利用して実際にWordPressのサーバーを移行した手順について、全9ステップを実際の画面で詳しく解説していきます。
前提
こちらで紹介するのは、小さな個人ブログのサーバー移行になります。大規模なホームページではありませんので、参考にならない場合は他の方のサーバー移行記事もご確認ください。
- WordPressのテーマ:Cocoon
- 契約サーバー:Mixhostからロリポップに移行
- URL変更:あり(https://shikakupc.com/⇒https://otoku-pc.com/)
- 総記事数:約90記事
- サーバーのディスク使用量:約450MB
サーバー移行手順
WordPressのサーバーを移行して、これまでと同じような状態に戻すまでのステップをまとめました。
- 新サーバーの契約
- 新サーバーにWordPressをインストール
- 新サーバーでプラグインを設定
- 旧サーバーのファイルをダウンロード(All-in-One WP Migration)
- 新サーバーにファイルをアップロード(All-in-One WP Migration)
- 新サーバーでWordPressのその他設定
- 旧サーバーでリダイレクトの設定
- Google Search Console、Google Analytics、Google Adsenseの設定
- 旧サーバーの解約
ステップ1~4は事前準備なので、適当なタイミングで作業を止めても問題ありません。ただし、ステップ5~8で新サーバーからWordPressサイトを公開するため、同じ記事の二重公開を避けるべく、ステップ5から8までは一度に作業することをお勧めします。
Google Search Consoleの設定を直しても、しばらくはGoogle検索で古い記事が表示されます。それゆえ、旧サーバーはリダイレクトの設定をして、1か月ほどは新・旧の両方でWordPressサイトを維持する必要があります。ステップ9の旧サーバーの解約手続きは、頃合いをみて実施しましょう。
①新サーバーの契約
まずは、新しいレンタルサーバーの契約と独自ドメインを取得します。私は安さ重視でロリポップのプレミアムプランを36カ月で契約しました。
ブログを始めたばかりでは長期契約は難しいと思いますが、本記事のように元あるWordPressサイトを移行する方であれば、長期目線で優れたサーバーを選択できるかと思います。
②新サーバーにWordPressをインストール
ロリポップを新規に契約した場合、「お申し込みと同時にWordPressをインストールする」にチェックを入れれば、簡単にWordPressをインストールできます。
③新サーバーでプラグインを設定
手順は前後しても問題ありませんが、All-in-One WP Migrationプラグインを利用して新サーバーにファイルをアップロードする場合は、同じバージョンのAll-in-One WP Migrationプラグインを利用して、その他に旧WordPressサイトで使用しているプラグインも事前にインストールを済ませた状態にしておくことをお勧めします。
原因は特定できていませんが、私の場合は新・旧サーバーで異なるバージョンのAll-in-One WP Migrationプラグインを利用して、その他のプラグインも揃えずにファイルをエクスポート・インポートしてしまいました。その結果、WordPressでデータベース接続確立エラーが発生して、WordPressを最初から再インストールする羽目になりましたので、、、
④旧サーバーのファイルをダウンロード(All-in-One WP Migration)
続いて、旧サーバーのWordPress上での作業となります。こちらにも同じバージョンのAll-in-One WP Migrationプラグインを追加し、「エクスポート」⇒「ファイル」を選択して、移行するWordPressのサイトデータをダウンロードします。
余計なエラーを防ぐためにも、WordPressサイト上で使用していないプラグインはなるべく削除した状態でエクスポートしたほうが良いでしょう。また、WordPress管理画面への不正アクセスを防ぐ「SiteGuard WP Plugin」を利用している場合は、サーバー移行後に突然セッションが弾かれる可能性があるため、あらかじめ無効化するか、削除しておいても良いかと思います。
⑤新サーバーにファイルをアップロード(All-in-One WP Migration)
次は新サーバーのAll-in-One WP Migrationを使用して、先ほどのWordPressのサイトデータをアップロードします。
最新版のAll-in-One WP Migrationを使用した場合、インポートできる最大アップロードサイズは100MBとなっているかと思います。(直接的な紹介は控えますが、)Google検索で調べるとインポート容量を上げる方法が色々紹介されていますので、ご参考になさってください。
エラーその1:「データベース接続確立エラー」が発生
原因は様々かと思いますが、私の場合は「All-in-One WP Migrationプラグインのバージョン違い」や「旧WordPressサイトで使用しているプラグインの新サイトでのインストール不備」が一つの要因かと思われました。
対処法として比較的分かりやすい「wp-config.phpの設定ミス」を確認して、こちらに問題がなければWordPressを再インストールすることをお勧めします。プラグイン周りを再確認して、All-in-One WP Migrationで再度ダウンロード、アップロードを試してみてください。
エラーその2:「404 NOT FOUND」が表示される
SiteGuard WP Pluginを使用している場合は、管理者ページへのログイン保護機能が実行された可能性があります。事前に登録したメールアドレスに送付されるログインURLで再ログインするか、それでもログインできない場合は.htaccessファイルを編集してプラグイン設定を無効化しましょう。
⑥新サーバーでWordPressのその他設定
ここまで来れば、後に残すは諸設定周りとなります。WordPressサイトの公開が完了したので、併せてサイトをSSL化(https)させましょう。ロリポップの場合は、ユーザ専用ページの「セキュリティ」から「独自SSL証明書導入」で設定できます。
完了したら、WordPress上でも「設定」の「一般」から、「WordPressアドレス(URL)」と「サイトアドレス(URL)」のURLをhttps://に書き換えておきます。
そして、新サーバー上でhttp://⇒https://のリダイレクトも設定しておきます。説明が長くなってしまうため、「.htaccess」ファイルの修正方法はこちらの方の記事をご確認ください。
⑦旧サーバーでリダイレクトの設定
長くなりましたが、あと残すは2ステップです。このままではユーザが旧WordPressサイトに流れてしまうので、旧⇒新への301リダイレクト設定を旧サーバー上で行います。
「.htaccess」ファイルの修正方法はこちらでは割愛しますが、301リダイレクトの使い方が分かりやすくまとまっているFastcoding様のサイトを以下に紹介します。All-in-One WP Migrationプラグインを使用した場合は、「2.新サイトと旧サイトのディレクトリ構成がまったく同じ場合」に該当するので、シンプルな記述で対処できます。
⑧Google Search Console、Google Analytics、Google Adsenseの設定
最後に、新しいWordPressサイトでGoogle三兄弟の設定をしてあげます。
Google Search Console(ちょっと面倒)
Search Consoleから新たなプロパティを追加して、ドメイン所有権などの確認を済ませます。DNS(TXTレコード)による所有権の確認は、私のケースではうまく実施できなかったため、別の方法で所有権の確認を完了させました。
プロパティ追加が完了したら、旧WordPressサイトのSearch Consoleで「設定」⇒「アドレス変更」から新WordPressサイトのアドレス情報を入力して、アドレス変更ツールの設定を済ませましょう。2~3週間ほどで旧⇒新WordPressサイトの移行が完了します。
Google Analytics(適当で良し)
Analyticsは新WordPressサイトとして作成するだけなので、特段難しいことはありません。手順は当の昔に忘れていましたが、解説サイトの方法通りに作業するだけで、すぐに新WordPressサイトの訪問ユーザが見れるようになります。
Google Adsense(待たされる)
Adsenseに関しては、新規WordPressサイトとして申請して、いつもの審査をパスしなくてはなりません。Adsenseと奮闘していた時期と違って、記事数もPV数も成長しているから余裕と思っていれば、これが少々待たされました。
なかなかメールが来なかったので、念のため確認したら<Head>内に審査コードが入っていなかった、、、
ステータスは審査中でしたが、大急ぎで<Head>内に審査コードを埋め込んで、念のためads.txtもルートディレクトリにアップロードして、遅れながらも審査準備完了。そうして追加で待つこと計2週間で無事にパスして広告が再掲されるようになりました。
まとめ
以上、All-in-One WP Migrationのプラグインを利用してWordPressのサーバーを移行する手順でした。途中2カ所の躓きポイントについても、エラーパターンごとに対処方法を記載していますが、本ページで紹介しきれていない部分もあるかと思います。
厄介な作業ですが、その分ブログ運営者には大きなメリットがある節約術なので、ぜひご参考にどうぞ。
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