本記事の内容
登場人物
わしは、しかく博士じゃ。よろしくのぅ。
試験の概要
近年のDX推進時代、ITエンジニアなら持っておいて損のない資格の一つです。
試験は4択80問マークシート回答の午前試験と、記述式の11分野から5分野(必須1選択4)を選ぶ午後試験に分けられます。
基本情報技術者試験では全て選択問題なので、適当な選択でもいくつかの問題は正答できてしまう。
だが、応用情報技術者の記述問題は、適当に回答すればするほど点数が引かれていく減点方式だから、思うように点数が伸びにくいのじゃ。
〇 試験日 〇
4月、10月(年二回)
〇 試験料 〇
¥7500(令和三年秋から値上げ)
〇 試験時間 〇
午前午後ともに150分
〇 合格基準 〇
午前午後ともに60%
〇 受験資格 〇
なし
詳細はIPAの公式HPを参考にしてください。
暗記不要で簡単な選択問題とは
完全に私の主観的判断ですが、午後問題選択のおすすめを「勉強時間コスパ(どれだけ少ない勉強量で試験範囲を網羅できるか)」と「安定度(これまでの傾向を踏まえた悪問や難問の出題されにくさ)」に着目して解説していきます。
情報セキュリティ(必須選択)
【勉強時間コスパ★★★☆☆、安定度★★★★☆】
必須選択なので、避けられません。しっかり対策しましょう。
システムアーキテクチャ(おすすめ度 S)
【勉強時間コスパ★★★★★、安定度★★★★☆】
システムの稼働率の算出など、その場の計算で解ける問題が多いので、少ない勉強時間で点数を稼げる。
要するに暗記対策が不要で、勉強時間のコスパが抜群。
また、完答に30分もかからないので、本番で最初に解くと、時間的余裕を確保できる。
組込みシステム開発(おすすめ度 A)
【勉強時間コスパ★★★★☆、安定度★★★★★】
特定の装置をシステム化する場合、どのような処理フローになるかなど、システムの基本が分かっていれば手の付けやすい問題が多い。
また、良問率が高く、解けると楽しいときもある。
プログラミング(おすすめ度 B)
【勉強時間コスパ★★★★★、安定度★★★☆☆】
難易度は基本情報技術者試験と同じレベルであり、暗記するべき内容もない。
ただし、コードを思いつくまでが勝負なため、プログラミングに慣れていない人では、問題との相性が悪いと30分以上かかってしまう。
ネットワーク(おすすめ度C)
【勉強時間コスパ★★★☆☆、安定度★★★☆☆】
出題範囲が他の分野と比べると狭いので、勉強して覚えさえすれば何とかなる。
しかし、知らない問題が出されると、手が付けられないこともある。
情報システム開発(おすすめ度C)
【勉強時間コスパ★★★☆☆、安定度★★☆☆☆】
出題範囲が独特なため予想できない。過去問にはプログラミングの考え方で解ける問題もあったが、近年は難化している雰囲気がある。
その他の選択問題は不慣れで勉強に時間がかかったので、私は選択肢に入れませんでした。その人の日々の業務によってはプロジェクトマネジメントや監査も良い選択かと思いますので、一度は問題に目を通してみてください。
勉強時間コスパ | 安定度 | おすすめ | |
情報セキュリティ(必須) | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | (必須) |
システムアーキテクチャ | ★★★★★ | ★★★★☆ | S |
組込みシステム開発 | ★★★★☆ | ★★★★★ | A |
プログラミング | ★★★★★ | ★★★☆☆ | B |
ネットワーク | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | C |
情報システム開発 | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | C |
経営戦略 | ? | ? | 不明 |
データベース | ? | ? | 不明 |
プロジェクトマネジメント | ? | ? | 不明 |
サービスマネジメント | ? | ? | 不明 |
システム監査 | ? | ? | 不明 |
私はストラテジ系の問題が苦手だったので、少ない暗記と計算で解くことが可能な、テクニカル系分野の対策に専念することに。
そこで、「情報セキュリティ」、「システムアーキテクチャ」、「組込みシステム開発」、「プログラミング」は選択するとあらかじめ決めて、「ネットワーク」と「情報システム開発」は試験中に実際の問題を見てから選びました。
時には予想していた問題と全く違う問題が出題されることもあるから、5+1(保険)で6分野の対策しておくのがおすすめである。
まずは「これは得意かもしれない!」という分野を2つ3つ見つけてみるのじゃ。
購入した参考書
午前対策+教科書:キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者
ブックオフで安かったので、とりあえず買って一通り読みました。
ただし正直なところ、この本を暗記するよりも、IPAに掲載されている過去問を解き返す方が、午前試験の対策になります。
午後対策:応用情報技術者 午後問題の重点対策 (重点対策シリーズ)
言わずと知れた最強の午後対策本です。午後問題の分野(情報セキュリティとか)ごと各6回分の過去問が丁寧に解説されています。
予想問題こそ収録されていないものの、これ一冊をきちんと勉強すれば基礎知識から応用問題対策まで全部まかなえます。
ネックは値段がとても高いことと、持ち運びづらい厚さ&重さです。
勉強スケジュール
試験前二カ月は2時間/日ぐらいのペースで勉強しました。総勉強時間は90時間ほどです。
2か月前~1.5か月前
「キタミ式」を読みつつ、早々に「重点対策」に着手しました。
「重点対策」の午後問題は、解く時間に40分+丸付け時間に20分かかるとすると、1問で約1時間かかります。
各分野(情報セキュリティとか)の過去問が6問ずつ掲載されているので、1つの分野対策に6時間、6つの分野を対策すればおおよそ36時間かかってしまいます。
それを3周はしておきたいので、 「重点対策」 は余裕をもって試験二カ月前には購入して解き始めることをおすすめします。
1.5か月前~1週間前
午前の選択問題対策として、午前の過去問を5回分(直近3年分)印刷して2周しました。ネットに丁寧な解説もあるので、「キタミ式」はもう必要ありません。
「重点対策」は試験3週間前までに選択した6分野の1周目を終えて、これから2周目スタート。2周目になるとシステムアーキテクチャやプログラミングは素早く解けるので、ペースアップします。
1週間前~
午前の過去問を3周目もすると、問題を見ただけで回答の選択肢が思い出せるくらいになります。
さらに前の過去問を解いたところで出題問題に違いは感じなかったので、これ以上は勉強しませんでした。
「重点対策」は、2周目でも正答できなかった問題をピックアップして3周目に入りました。2度解いたところで、難しい問題は忘れます。


3周目でもこれぐらいの正答率です。論述解答は正答が難しいですね。
結果
午前試験:77.50点
午後試験:61.00点
午前は60%を十分に超えていましたが、午後はギリギリでした。
午後問題は勉強時間コスパの良い分野に絞って効率良くこなしたつもりですが、それでも二カ月の対策量は必ずしも十分とは言えませんね。
記述問題はどれも満点回答がとれなかったのじゃろう。しかし、部分点で稼いで何とか滑り込んだ感じであるな。
まとめ
暗記不要で簡単なテクニカル系特化の問題選択おすすめは、「システムアーキテクチャ」「組込みシステム開発」「プログラム」の三選です。
2か月独学でも合格は可能ですが、午後問題は多くの問題をこなして、文章力を積み重ねる訓練が大切だと痛感しました。
余裕さえあれば、「重点対策」を解き終えた上で、直近の過去問にも挑戦して、解答は通信講座などで添削してもらった方がいいでしょう。
とはいえ私のように独学二カ月という限られた時間の中で対策するのであれば、「重点対策」を3周しっかりこなすほうが身になります。
それくらい「重点対策」には選りすぐりの良問が掲載されているため、おすすめできる参考書です。
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